E判定なのに早稲田に受かった理由 — ミスを合格の資産にしろ
INTRO浪人の8月まで、私は模試でE判定以外を取ったことがありませんでした。
目次
早稲田で最高判定はCです。最後まで「合格圏内です」と言われたことがないまま、本番を迎えています。それでも合格しました。
模試の判定が悪くて気持ちが沈んでいる人、点数を見るたびに落ち込んでいる人に、判定との付き合い方の話を渡したいと思って書きます。
01判定や偏差値は、基準値にすぎない
最初に押さえておきたいのは、判定や偏差値の役割です。
“判定や偏差値は1つの基準値にすぎず、合格と不合格を保証するものではない
A判定でも不合格になる人はいます。E〜C判定なのに合格する人もいます。これは特殊なケースではなく、普通にある話です。
判定はあくまで「その模試の正答率」から逆算された相対的な数字。本番のあなたの点数とは、別の試験です。本番で点を取れた人が受かる、それだけが事実です。
ここを混同してしまうと、判定の上下に振り回されて勉強の手が止まります。
02浪人8月までE判定以外を取ったことがなかった
私の話に戻ると、本当に判定はずっと悪いままでした。
浪人を始めた春から夏まで、ずっとE。8月の模試でようやく抜けて、最高でC。早稲田に関しては、最後までB以上に上がることはありませんでした。
それでも、私は早稲田に合格しています。何が違ったかと言えば、判定の数字に対して何を見ていたかだと思っています。
判定が悪いことに落ち込んで終わるのではなく、模試で起きたミスを、合格までの距離を埋めるための材料として扱った。これが結果に効きました。
03「点数が低い=落ち込む」という思考の癖を修正する
過去問、模試、問題集のすべてに言えることですが、
“点数が低いと落ち込むという思考の癖は、修正したほうがいい
判定や偏差値は、要するに正答率に起因します。低いということは、その時点で正答できていない問題が多いということ。そして、
“正答できていない問題が多いほど、収穫は多い
これが反直感的ですが、実はそうなんです。点数が低い回ほど、見つかったミスが多い。ミスが多いということは、それだけ修正できるネタが手元にあるということ。資産です。
満点に近い回で見つかるミスは1〜2個。修正のネタも1〜2個しかない。一方、点数が低い回には、修正のネタが10個も20個も転がっている。後者のほうが、合格までの距離を一気に縮める材料になります。
判定が低いとき、まず修正すべきなのは判定そのものへの感情の動かし方なんです。
04アウトプットにおけるミスは、合格のための「資産」
これがこの記事で一番伝えたい話です。
“アウトプットにおけるミスは、合格のための資産である
なぜ「資産」なのか。
“覚えたと思っていたものが、アウトプットを通してしか知り得ない形で「覚えていない」と判明する
参考書を1人で進めているだけでは、自分が何を分かっていて、何を分かっていないかは正確には分かりません。「分かったつもり」で進めてしまう。これが直前期に崩れるパターンの正体です。
模試や過去問でアウトプットして、初めて「覚えたと思っていた単語が出てこない」「理解したつもりの構文が読めない」が炙り出されます。これはミスというより、まだ手付かずの伸び代を発見した瞬間です。
ミスは、潰せば点数になります。潰さなければ、点数にならない。だから、見つかった瞬間に資産になる。模試の判定が悪いことが、そのまま資産の量と直結する場面さえあります。
05ミスを資産化する具体的な手順
ミスを「気づく→流す」で終わらせると、資産になりません。資産化するためには、もう一段の作業が必要です。
私がやっていたのは、こういう手順でした。
特定の単語が分からなかった場合: - 単語帳を周回するときに、その単語に印を入れる - 隣に間違った模試の名前や出題された場面を書き込む - 「この単語は、◯月の駿台模試で出てきて分からなかった」と紐付ける
これをやると、後で単語帳を見たときにその単語が記憶のフックと一緒に出てきます。単純な暗記よりも、周辺知識とセットで保存したほうが長期記憶に移行しやすいんです。
ただ覚えなおすのではなく、ミスのストーリーごと埋め直す。これが資産化のコツです。
06同じようなミスが続く場合は「癖」として修正する
もう一つ、注意すべきパターンがあります。
“同じようなミスが何回も続く場合は、癖として修正しないといけない
例えば、「文中の代名詞が何を指しているか取り違える」というミスが何回も出ている。これは単発の知識不足ではなく、読み方の癖です。単語を覚え直しても直りません。
癖は、自分では気づきにくい。だから、これも問題を解かないと見えてきません。同じ方向のミスを繰り返している自分に気づくのは、模試・過去問・問題集を継続的にやっているときだけです。
癖を見つけたら、それは単発のミスより重い修正対象です。次に同じ場面が来たときに違う動き方をできるよう、思考の手順そのものを書き換える必要があります。
07模試の本当の価値 — 特殊な状況下のミスが見れる数少ない機会
ここで模試についてもう一つ書きます。
「軸と設計」という思考は、アウトプット(特に過去問)をベースに組み立てています。間違えることを前提にしているので、そもそも間違えること=良いことという共通理解のもとで指導しています。
その中で、模試にはちょっと特殊な価値があります。
“模試は普段自習するよりも本番に近い雰囲気で、独特な緊張感の中で問題を解くという良い経験ができる
家で過去問を解くのと、会場で模試を受けるのは、違う種類のストレスがかかります。緊張で時計の見方を間違える、焦って問題文を読み飛ばす、慣れない会場で集中が切れる。
こういうミスは、自宅では絶対に再現できません。模試は、特殊な状況下におけるミスが見れる数少ない機会なんです。
判定の数字に振り回されている人ほど、この機会を「結果に落ち込む場」として消費しています。本来は「本番に近い状況でミスを資産化できる場」なのに、もったいない。
08まとめ — 判定の高い人を羨むよりも、ミスを材料にする
最後に整理します。
- 判定や偏差値は基準値にすぎない。A判定で落ちる人もE判定で受かる人もいる
- 点数が低いと落ち込む癖は、修正対象。点数が低いほど、修正できる「収穫」は多い
- アウトプットにおけるミスは、合格のための資産。「覚えたつもり」を炙り出してくれる唯一の方法
- ミスを資産化するには、印・出展メモ・周辺知識をセットで保存する。単純暗記より長期記憶に移行しやすい
- 同じパターンのミスが続く場合は「癖」として修正。これも問題を解かないと見えない
- 模試は本番に近い緊張感の中で特殊な状況下のミスが見れる数少ない機会。判定だけ見て消費するのはもったいない
判定や点数というわかりやすい物差しに着目したい気持ちは分かります。点数や判定が高ければ受かる確率も高い、という相関関係を否定するつもりもありません。
でも、そこを羨ましがっても、勉強していない過去の自分を呪っても仕方ない。
“せっかくミスをたくさん見つけたのなら、それを合格に繋げるための材料にしよう
これだけです。万年E判定だった私が早稲田に合格できたのは、判定そのものではなく、判定の数字の裏にあるミスを資産として扱う発想に、ある時点で切り替えられたからだと思っています。
ネモナビでは、入塾時点でこの「ミスは資産」の前提を必ず生徒と共有しています。模試の翌週に判定で落ち込む時間ではなく、ミスを資産化する時間に変わるだけで、その月の合格までの距離は確実に縮まります。
