勉強法は調べるべき?— 軸があれば最強の武器になる

INTRO「勉強法動画を見続けている時点で、軸がない」——こう言い切ってしまう発信もよく見ます。半分は同意できる主張です。

ただ、この記事は動画を全否定する記事ではありません。私自身、受験期に勉強法動画をめっちゃ見漁っていた時期があるからです。

問題は「動画を見ること」ではなく、動画の何を見ているかの方にあります。

この記事では、勉強法動画との付き合い方の話をします。漁るほど方針が定まらなくなっている人、参考書ルート動画を律儀に守っているのに伸びていない人に、見方を切り替えるヒントを渡せるといいなと思います。

01「何をやればいいか分からない」とき、私もめっちゃ見漁っていた

正直に書くと、受験期、私は勉強法動画をめっちゃ見漁っていました。

きっかけはシンプルで、「何をやればいいか分からない」状態だったから。教材も方法も、自分で組み立てる材料がなかった。だから他人の言うことに頼るしかなかったんです。

「英単語は1日◯個、土日に復習」「数学はこの参考書を◯周」——こういうマニュアルを見ると、安心しました。やるべきことが具体的で、再現できそうに見える。勉強法が分かったつもりになる

ただ、その「分かったつもり」と「実力が上がる」は、別物でした。これに気づいたのは、もう少し後の話です。

02マニュアル化された勉強法が「分かった気」にさせる構造

マニュアル化された勉強法には、強い吸引力があります。

「1日100単語、3周回す」と言われると、自分が何をすればいいかが瞬時に分かる。タスクが明確で、達成感も得やすい。SNSで「今日も100単語やった」と書ける。

でも、これは手順の安心感であって、実力に直結する保証ではありません。

そして厄介なのが、手順を真面目にこなしている間は「自分は正しい方向に進んでいる」と思い込みやすいことです。1日100単語をこなしている自分は、努力している自分。だからもし伸びなくても、「努力が足りないんだ」と内側に原因を探しに行く。

実際には、手順そのものが自分に合っていないだけだったりします。

03大きく間違った方法論は少ない。ただ「自分の最適解」ではない

ここで誤解を生まないように一つ書いておきます。

勉強法動画の中身が「全部デタラメ」というわけではありません。私が見てきた限り、大きく間違った方法論は基本的に存在しない。発信している人もそれなりに考えてアウトプットしているし、ベースの理屈は通っているものが多い。

問題は、「正しい方法論」と「あなたにとっての最適解」がイコールではないことです。

人によって、適合率は変わります。

  • 1日100単語が回る人もいれば、50個でも詰まる人もいる
  • 3周で覚えられる人もいれば、5周必要な人もいる
  • ✕✕というマニュアルが、たまたま自分の学習特性に合致する人には、それがベストに見える

つまり、動画で紹介されているマニュアルは、それを発信した人や、それで成功した人にとっての最適解であって、あなたの最適解ではない可能性が高い。これが大前提です。

04「この人は何を軸にこれを発信しているか」を見る

ではどうすればいいか。視点を一つ変えるだけで、勉強法動画の解像度は一気に上がります。

「この人は何を軸にこの勉強法を発信しているのか」を見る

マニュアル(手順)ではなく、その背後にある軸(思考の根っこ)を読み取ろうとする視点です。

これができると、合格する受験生と同じ思考の枠組みになります。動画の表層をなぞるのではなく、「なぜこの方法が成立しているのか」の骨格に触れに行く感覚です。

具体的にどう見るか、英単語の勉強法を例に説明します。

05英単語勉強法を例に — 本質は「接触回数×アウトプット回数」

「1日100単語、3周」「1日30単語、10周」「語源で覚える」——英単語の勉強法には色々なバージョンがあります。

これを表面でだけ比較すると、「結局どれがいいの?」と迷子になります。

でも軸の視点で見ると、ほとんどのマニュアルは同じ原理に乗っています。

接触回数とアウトプット回数を上げて、短期記憶を長期記憶に変える

これが英単語勉強法の本質です。「1日100単語、3周」も「1日30単語、10周」も、結局この本質をどう実装するかの違いでしかない。語源学習のように別系統の発想もありますが、それも「定着率を上げる」という目的では同じ場所に着地します。

ここに気づくと、何が起きるか。

  • 動画を何本も見る必要がなくなる
  • 動画通りの数字(100個、3周など)でなくても、本質を満たせば結果が出ると分かる
  • 自分の特性に合わせて、数字や周期を自由に調整できる

つまり、マニュアルを真似するのではなく、マニュアルの設計者になれるわけです。

06信頼すべきは、方法論ではなく「思考」に触れる発信

私自身が動画を見るときに信頼度が上がるのは、方法論をマニュアル化している動画ではありません。

向き合い方や捉え方といった、思考そのものにがっつり触れている動画

「なぜそう判断したか」「どういう前提でこの方法を選んだか」「失敗したときに何を疑ったか」——こういう話が含まれている発信は、軸が見える。受け取る側も、自分の状況に転用しやすい。

ただ、こういう動画は本当に少ないんです。これには理由があります。

07「本質系」が少ない構造的事情と、それを踏まえた情報の見方

私自身、発信活動をやっているので分かるんですが、コンテンツには伸びやすいもの・伸びにくいものが明確にあります。

  • マニュアル化された勉強法
  • 参考書ルート系
  • 「◯ヶ月で偏差値◯◯上がった」系

このあたりは、ずば抜けて伸びやすい。理由はシンプルで、タイトルで「分かりやすい結果」を提示できるから、視聴者が反応しやすい。

逆に、思考や捉え方を扱う動画は、タイトルだけだと内容が伝わりにくい。視聴者の検索意図にも乗りにくい。だから再生されない。

結果、発信者は伸びるコンテンツに集中する。これは構造的に仕方ない部分があります。

その現状を踏まえた上で、視聴側がどう動くか。

動画は見ていい。ただし「マニュアル」ではなく「軸」を抜き取りに行く

この視点さえあれば、勉強法動画は使える情報源になります。むしろ、軸を意識して見ることで、複数の動画から共通項を抜き出して、自分なりの軸を組み立てられるようになる。

私自身、動画を全否定するつもりはありません。私自身が発信もしているからこそ、自分の発信では「私からしか得られないもの」、つまり方法論の手前にある思考そのものを届けたいと思っています。

08まとめ

  • 勉強法動画を見ること自体は問題ではない。問題は動画の「何を見ているか」
  • マニュアル化された勉強法は「分かった気」にさせるが、それは手順の安心感であって実力の保証ではない
  • 大きく間違った方法論は少ない。ただし、「正しい方法論」と「あなたの最適解」はイコールではない
  • 視点を「マニュアル」から「この人は何を軸にこれを発信しているか」に切り替えると、解像度が一気に上がる
  • 英単語なら本質は「接触回数×アウトプット回数」。本質さえ抑えれば数字や周期は自由に調整できる
  • 信頼度が高いのは、方法論ではなく向き合い方・捉え方・思考そのものに触れる発信
  • 思考系の発信が少ないのは構造的事情。視聴者側が「軸を抜き取る」目的で見れば、動画は十分使える情報源になる

「次に動画を見るとき、何を見るか」だけ意識を変えてみてください。同じ動画でも、得られる情報量が変わります。

ネモナビでは、こうした「マニュアルではなく軸を組み立てる」発想を、最初に必ず生徒と共有しています。動画を見て不安になりやすい人ほど、軸が定まると視界が一気に開けていきます。

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